強者の条件の変遷
まだ自分の中で全然まとまっていないことではあるが、
「何をもって強者とするか」
という基準が、時代の変遷とともに変わってきたのではないかとほのかに思っている。
そして、私の関心事は、なぜ強者の条件が変わったのか、ということである。これを、歴史学的に、社会学的に、心理学的に、そのいずれか、あるいはそのどれもを使ってうまく説明できればよいと考えている。
以下、私の曖昧な知識に基づく認識で、私なりの仮説を展開したい。
私の考える、強者の条件の変遷は以下のようなものである。
武力 (古代~共同体の確立まで)
→血筋・地位 (封建的共同体の確立~資本主義の到来まで)
→経済力 (資本主義~教育機関の整備まで)
→学力 (教育機関の整備~消費社会の成立まで)
→恋愛的魅力 (自由恋愛・消費社会~)
領土や食糧の争奪など、戦争が絶えない時代には、武力を有するものが強者として、権力を得て、集団を統率していたと考えられる。
そして、ある程度あたり一帯が平定され、共同体の統治が必要になると、王やその血縁、有名貴族など、支配者側の血筋を持つ者が強者として権力を得たと考えられる。
資本主義が到来すると、依然として血筋による支配は持続しているにしろ、莫大な富を持った商人による協力も不可欠となり、経済力を持つ者が次第に権力を得ていくだろう。
技術が高度になり、学のある物が最新の技術を導入して資本主義世界で活躍するようになると、国家は教育機関の整備によって技術の革新を図るようになり、学力のあるものが強者となってゆく。
そして、ある程度、技術の発展を遂げ、広く国民が豊かさを実感し、いわゆる国民総中流社会になると、特別な学や技術、経済力がなくとも幸せな暮らしができるようになり、また、結婚が家同士ではなく、自由恋愛に基づくものが主流になるにつれ、更なる幸せを求めて、恋愛的魅力の高い人への需要が高まる。そして、恋愛的魅力の大きい人が優遇されたり発言権を得るなどして、強者となってゆく一方、恋愛的魅力の低い人は、不遇な目に遭うことも多くなる。
以上が、私の考える強者の条件の変遷である。
これについて、
①本当に強者の条件は時代とともに変化したか?
②①が正しいとすれば、それはなぜ、どのように起こったか?
ということについてより詳細に、説得力のある記述ができればと私は考えている。しかし、今のところ手詰まりである。
どのようにして論を展開していけばよいかわからない。
今後、考えが浮かび次第、論を進めることにしようと思っている…。