ロロの空想

心に移りゆくよしなしごとを書いていくよ!

忙しさ離脱症候群 ー忙しさへの依存ー


精神医学では異常を扱う。
異常とは、相対的に外れ値であるものか、絶対的に機能不十分か過多によるものを指すと考えてよいだろう。

精神医学では、異常であり、本人が苦痛を感じているか、社会的不利益を被るなどでなければ基本的には介入しない。

精神医学では、異常に主に着眼するが、私達の普段の生活の精神の活動は異常とは違っても、ケアが必要であったり、日々の業務に支障を来すこともあるかもしれない。

精神医学における以上は、普段の正常な精神活動の上にあるものではないだろうか。

私は、普段の正常な精神活動にも、名前を与えることで、扱いやすくできるのではないかと考えた。精神医学というよりは心理学よりである。

ということで、その一例として、今日は「忙しさ離脱症候群」という、私が考えた症候群を紹介しよう。


「忙しさ離脱症候群」

忙しさから解放されたときに感じる、無気力感、倦怠感、無感情、寂しさを症状とする。通常、3~5日で消失する。

診断基準
Aを満たし、かつ、Bのうち少なくとも2つの症状を満たすこと

A、忙しさから解放されて一週間以内である。

B、
・無気力感
・倦怠感
・無感情
・寂しさ
・自責感

治療
・娯楽作品の鑑賞などの楽しみを与えて経過観察する。

予後
・趣味のある人ならば、通常3~5日でBの症状が消退する。
・趣味を持たない人の場合、Bの症状が遷延化することがある。
・Bの症状が遷延化した場合、何らかの依存症状に陥ることがあり、注意が必要である。多いのはワーカホリックである。

疫学
・不明

 学生なら、学校が終わったりクラブを引退したりしてやることがない休日、社会人ならば、仕事を辞めてやることがなくなったときや、長期休暇をもらえた時などだろう。

 こういうときに、忙しさ離脱症候群に罹患する人が多いと推測される。
 忙しさ離脱症候群がやっかいなのは、
 「やることがないと人は退屈になるし、苦痛に思うのだ。」
 と感じ、自らを忙しい日々に駆り立てようとしてしまうことであり、また、他の人にも忙しさを強要してしまったりすることである。

 これは、悲しいことである。
 ゆとりのある、自分のための時間を悪いものだと考え、放棄してしまうのである。また、忙しさを人に強要してしまう場合には気をつけなければいけない。

 予後のところにも記載したように、これから復帰するためには、「やることを持っている」ということが大切である。

 しかし、毎日忙しくしている人は、自分の時間にやるべきことというのを持ち合わせていない。
 ゆえに、こういった人の場合、重症化しやすいのではないかと私は考えた。

 気をつけよう。