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ロロの空想

心に移りゆくよしなしごとを書いていくよ!

キャラの動きで考えるおもしろいストーリーの作り方

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キャラが動いて話をつくる?

 著名な小説家や漫画家が、「キャラが勝手に動いた」とか、「この作品は自分が作ったのではなく、キャラたちが作った」と言うのを聞いたことはないでしょうか。これはどういうことなのでしょう。私も初めて聞いたときは「何を言ってるのだろう」と思いました。しかし、最近は「ああ、そういうことだったのか」とわかるようになりました。さて、その原理に乗っ取ったストーリーの作り方を順に説明していきましょう。


1、キャラの性格を決める

 一番大切なのがこのステップです。私たちは現実世界では、誰々がしそうなこと、しそうにないことという思考を常に持っています。それはマンガだろうが、小説だろうが一緒なのです。例えば、某バトルマンガには、非常にプライドが高く、戦闘に人生をささげるサイヤ人が出てきますが、彼が「パパが電車ごっこしてあげまちゅよー。」なんて絶対言いません。そんなことがあれば、訴訟物です。言ったことがないとこではなく、彼のキャラとしてそのセリフを言う可能性は限りなくゼロだということです。逆に、ちゃんとキャラが確立されているなら、このキャラならこんなシチュエーションにあった場合こんなセリフを言うだろう、みたいな予測もできます。

 ためしに、二人のキャラを作って考えてみましょう。一人目は、内気で自信がない男の子、相手に否定されるとひどく傷ついてしまったり、逆に相手から好意を示されると舞い上がるほどうれしくなるような性格、要するに他人の評価がすごく気になる。二人目は、強がりで、なかなか素直になれないツンデレな女の子、いつも自分自身の気持ちに言い訳してしまうけれど、本当は純粋。この二人が幼馴染だとして、男の子が女の子の誕生日にプレゼントを渡すとします。果たしてどうなるでしょうか。女の子ははじめ、男の子からのプレゼントを素直に受け取らない。「別にくれなくてもいいのに。」だとか、プレゼントにケチをつけたりしてしまう。それを真に受けた男の子はショックを受けて走り去る。でもそれを悪く思った女の子は男の子を探しにゆき、本当はプレゼントすごく嬉しかったということを伝え、二人は仲直り。帰りの道でまた仲良くケンカをする。

 こんな風に、キャラの性格がはっきりしていると、初めのイベントをちょっと考えるだけで、あとは「このキャラならしそうな行動」というのをつなげていくと話が進むのです。後は、ところどころでイベントを足してあげたり、選択肢を選んであげたりするだけです。登場人物のキャラを目的に小説や漫画を読む「キャラ読み」という言葉もあります。大切なのはイベントではなく、むしろキャラなのです。読者の楽しみ方の多くは感情移入です。イベントが起こってキャラの心が揺れ動き、そこに感情移入して読者は楽しむものです。したがって、まずはキャラがしっかりしていることが重要なのです。人物のキャラの作り方としては、適当にその人物にさせたい行動を書いてそこからその性格をピックアップしていく、あるいは、あらかじめキャラの性格を考えて、そこからそのキャラに行動させるかです。基本的には両方をうまく使います。ただ、これだけでは、ストーリーとしてはなかなか成り立ちません。


2、世界観を決める

 大事なキャラのほかにも決めなければいけないこと、それは世界観です。現実と設定を同じにするのか、魔法を使えるようにするのか、科学の力を強くするのか、未来か、昔か、三階から落ちても無傷なのか怪我するのか、等々です。これを決めることでストーリーに特有の雰囲気が生まれます。これがないと、キャラから想像できる行動というのが考えられません。血気盛んな男がいたとして、世界が戦国時代なのか、平和な日常なのか、魔法バトルが起こる世界なのかでその男のとる行動も違うわけです。


3、登場人物の関係を決める

 キャラ、世界観の他に大切なのは登場人物同士の関係です。血縁関係はあるのか、いつ知り合ったのか、好意はあるのか、過去にどんな接触があったか、社会的な立場や家柄はどうか、などです。例えばデパートのエレベーターの中である男女が二人きりになったとき、兄妹だったら買いたいものの話をしてるかもしれないなとか、どちらかが片思いなら何か話しかけようとして黙ってるだろうなとか、確執がある二人なら険悪な雰囲気が漂っているだろうなとか想像ができるわけです。同じシーンでも、人物同士の関係が違うだけで意味が大きく異なります。


4、イベント・シチュエーションを決める

 最後に重要なのが、イベント、シチュエーション決めです。しかし、ここで決めるのはキャラが動き出すきっかけとなるものだけです。はじめのワンシーンだとか、どこか出かけるときの出かけ先とか、そういったことです。あとは、キャラ、世界観、登場人物の関係が自分の中でしっかりしていれば、勝手にストーリーは進んでゆくはずです!

おわりに

 ストーリーづくりは、小説、マンガ、ドラマ、様々な脚本をつくるときに必要な作業です。ストーリーを毎回一から十までつくるのは非常に大変です。楽にストーリーを書くためにも、キャラが動くという感覚は持っていると便利です。また、キャラの動きに任せたストーリーには恣意的な要素が少なく、読んでいて自然、かつ面白いものが多いです。ただし、より奥行きのあるストーリーを書こうと思えば、どこかにあえて伏線を挿入したり、メッセージを盛り込んだり、フラグを立てたり、そういったことも必要になってきます。また、話にはお決まりのパターンというのもありますからそれにだいたいは乗っ取った話にするというのも大事だったりします。しかし、そういうときでも、キャラがどう動きそうかというのを基本にすると、話がぐっと書きやすくなるでしょう。