ロロの空想

心に移りゆくよしなしごとを書いていくよ!

「人間的に」とか「頭が悪い」とか抽象的な中傷

 世間には、「人間的に頭が悪いからだめ」みたいな中傷の仕方が敷衍しています。しかし、こういう中傷はかなり抽象的なものであって、いまいち何を批判したいのかという言いたいことの核が見えない言い方です。まあ、だからこそ批判ではなく悪口、中傷になっているわけですが。この記事は、そんな抽象的な言葉を具体的に細分化してみて、世間で使われている単なる悪口が、相手の悪い箇所を具体的に批判する言葉に変わればいいなーと思って書いています。

「人間的に」という言葉は「なんとなく」という言葉と同じくらい曖昧

 悪口とかで「人間的」って言葉を使うときって具体的に何がってのが言えないから姑息な形用方法として使っていることが多いんじゃないかと思います。言ってる側は、「なんかむかつくけど、具体的に分析はできてない」ということです。たしかに、わざわざ形容するのがめんどくさいってこともありますけれど。

 実際に「人間的に」っていう言葉がカバーする範囲ってかなり広いと思うんですよね。「計画性」「他者への共感力」「単純作業の手際のよさ」「組織運営の力」「ルールを順守する姿勢」「人との会話能力」…etc.他にもいっぱいあると思います。やっぱり具体的に指摘できることは具体的に指摘すべきだと私は思います。

「頭が悪い」って何を指すのか

 「頭が悪い」ってのはたぶん世間で最もありふれた悪口だと思うんですが、「頭が悪い」という言葉の意味の守備範囲はかなり膨大だと思うんです。頭の良さを測る指標っていうのは、「説明された論理を理解する能力」「論理的に物事を考え、人に説明する能力」「知識を記憶する能力」「持っている知識量」「数字を計算する能力」「抽象的概念を理解する能力」「内容の要旨を探す能力」「起きうる出来事を推測し、それを元に行動する能力」「他者の感情を考慮する能力」「自分の価値観を相対化する能力」「新しい価値観を理解する能力」「人の言うことを鵜呑みにせず、吟味せずに他の人の価値観を内面化しない能力」...etc.やはりこれもまだまだいっぱいあります。勉強でいうところの頭のよさってのは、「知識量」「抽象的概念の理解力」「数字を計算する能力」とかその周辺のことを指していますよね。

なんで「人間的に頭が悪い」というフレーズが使われるのか

 「人間的に」「頭が悪い」ってのは上に記したようにどちらもたくさんの意味を含んだ抽象的な言葉です。こんな抽象的な言葉がよく使われるのってやっぱり話し手は「なんかむかつく。」って感情を持ちながら、相手のどういったところがどうだからむかつくのかってことが分析できていないんですよね。だから抽象的な言葉で丸め込んで悪口を発すると。でもこれって言われた方も相手が自分のどこを気に食わないのかわからないし、この悪口によって何かが改善するってこともない、非建設的な悪口ですよね。むかつくって感情を分析して、相手のどういったところがむかつくのかがわかれば、それに対する対策もある程度考えられると思うんですが。それに、相手の中で気に食わないところがあっても、それとは別にいいところも認めることができれば、人間関係はもっと成熟した大人なものになると思うんですが。

 私が願うのは、世間の人々は、悪口をいうときは相手のどこを咎めたいのかを明確にして、それを具体的に指摘する悪口を放ってほしいなということです。