技術の発展の中で貧困にならないための模索
2017年の日本の格差は、50年前の格差に比べて広がっているのか否かという問いの答えを私は知らない。
しかし、今後、放置していたら格差は広がるのではないかと思う。
技術の発展は、作業の効率化、自動化、人員削減を目指す。
結果として、高度なスキルがない人々は労働市場から締め出されるということが起こりうる。
高度な知識を持つ技術者は収入を増す一方、特別なスキルや知識を持たず手足を動かすことで労働価値を提供していた層の仕事がなくなる可能性がある。
あるいは、手足を動かすことしかできない人がAIに駆逐されるより先に労働市場から締め出されるのは知的労働に従事して知識を切り売りしている職業かもしれない。むしろそっちの可能性の方が高い。
AIは「人工知能」であってロボットではないのだから、AIの登場によって仕事を奪われるのは「知的労働」をしている人たちだというのは不思議なことではない。
どちらにせよ、少数の技術者が、労働市場から労働者を追い出す。その結果、新たな産業が生まれる可能性も高いが、少数のエリートに富が集まり、結果、格差が生まれる可能性もあると思う。
では、技術によって労働市場から労働者が締め出され、貧困層が増えるというのを防ぐためにどうすればいいのだろうか。
①国がコントロールする。
重要な技術を国の管理下に置く。
(資本の共有化…共産主義の実現??)
国がベーシック・インカム、フードスタンプなどを導入する。
②できる限り自給自足できるようにする。
社会の影響を受けにくくするため、生きていくのに最低限の食糧、医療を自給自足できるようにする。
とはいえ、結構な知識と技術が必要である。
技術の発展によって少数のエリートに富が集中する世界でうまく生きていくためのなにかいい方法があるだろうか。
私が思いつくのは上記のような方法くらいである。
併用したらいいかもしれない。
私は以前、こんなことを書いた。
「
世の中には、「自由に生きる」というのを、不労所得を得ることで実現しようという人が多い気がする。
しかし、そういう不労所得というのは、他の誰かが社会を回してくれることが多かったり、結局はゼロサムゲームになっていて、勝てた人しか自由にはなれなかったりする。
だから、それをもって、「みんなも自由になろうよ。」とは言えないのである。結局は、誰かに支えられた上で少数の人間だけが享受できる自由と幸せになってしまう。
」
これはその続きの話なのだと思う。
これからどういう仕組みにしていけば、幸せに生きることができるのか、まだまだ分からない。